油絵のような夕焼けを見る
5月27日の夕方電車に乗っていて
何気なく外を見てみると
太陽が沈む準備をしている
西の空があった
なんとなく絶景の予感があり
途中の駅でおりて高いビルを探した
そのビルはオフィスビルなので
なかなか西の空を見られるスペースは
どの階を探してもみつからなかった
最上階にレストランという表示があり
西側に高級そうなレストランがあった
私はおそるおそるのぞいて見ると
そのレストランのバーが目に入った
バーカウンターに行って
バーテンダーに聞いた
「今日の夕焼けは
二度と見られないほどの
夕焼けだと思ったので
写真を撮りたくて入ってきました
写真を撮ってもいいですか」と
バーテンダーは答えた
「いいですよ心ゆくまで・・・」
西側の窓には西日が当たるので
淡く透き通ったブラインドが
下がっていた
私はブラインドの隙間から
日が沈むのを覗き込んだ
すると後ろからバーテンダーが近づき
ブラインドを全開に開けてくれた
「綺麗な夕日はみんなで見ましょう」
と言って開けてくれたのである
とてもいい時間が流れるのを感じた
日が沈むまで後15分
私はバーカウンターに座り
生ビールのグラスを注文した
その日カメラはサイバーショットしか
持参していなかったが
サイバーショットのマニュアルを
最大限に使って撮ろうと考えた
カメラまかせではなく設定をする
ホワイトバランスを曇天に設定
ピントを無限大に設定
露出をスポット測光に設定し
ISO感度をアップさせる
後はブレないようにガラス面に
カメラを持つ手を押し付けながら
静かにシャーターを切る
夢中で何枚か撮ったとき
後ろに人影を感じた
なんとギャラリーが増えて
みんな夕焼けに見入っていた
撮り終えてビールを飲みほす
「いい夕焼けを見せてもらいました お客さんもみんなで楽しませてもらいました
ありがとうございました」 バーテンダーが帰りぎわそう言って送ってくれた
天空が描き出した油絵は 自然が奏でる深淵な静寂をもつれてきていた
私は生ビールのほろ酔い気分を感じながら エレベーターに乗った
エレベーターの閉まる扉の先の窓には濃紺の色で染められた空があった
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